稲荷台1号墳銘文の王は関東の王

1. 稲荷台古墳群の銀象嵌の銘鉄剣


千葉県市原市に稲荷台古墳群と言う古墳群が存在し、その 1号墳には銘文が記銘されていると言う

市原市ウェブサイト 市原市の新指定文化財(平成28年度)
「王賜」銘鉄剣 : 資料情報 | 市原電脳博物館 | 市原歴史博物館・市原市埋蔵文化財調査センター
稲荷台1号墳

銘文には以下が書かれていると言う

a) 銘文 表面

王賜□□敬□(安)

b) 銘文 裏面

此廷□□□□

それぞれの銘字については、少々思う事は ある
例えば、

王字は工かも知れない
表面の末尾が安字か どうかは、何とも言えない気が する
あるいは宮かも知れない
廷字は迂かもしれない

と言った所か
なお、此字は七支刀に書かれている字体と良く似ているように思える

七支刀



2. 王とは どこの誰か


さて、銘文の王らしき人物は どこの誰で あろうか?
関東で王と書かれている銘文は、他にも ある
稲荷山古墳の稲荷山鉄剣に記された獲加多支鹵大王である

獲加多支鹵の訓はウェカタシロ(ヱカタシロ) -"ワカタケル"とは訓めない-

千葉県は埼玉県に隣接している訳で、埼玉の王者を王と呼んでいるのかも知れない
となると、王とは獲加多支鹵大王もしくは近縁者を指している可能性は ある

あるいは、千葉県に王と呼ばれる者が君臨していたのかも知れない
この場合、埼玉県の大王と千葉県の王は対等で あったのか、それとも上下の格差は あったのか
摩滅した銘字が気になる所では ある

公開 : 2024年9月19日
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