1. 実は以外と お世話に なる事が多い YAMAHA のルータ
RT58i は
ヤマハ株式会社の ルータ 製品で ある
ヤマハ社に おいて、この製品は SOHO 向け製品と言う位置付けの
様で ある
RT58i - ルーター - ヤマハ株式会社
外見は以下の通り
RT58i - ルーター 製品画像

ヤマハ社は日本楽器製造企業と して会社発足を行った らしい
電子楽器の開発で培われたなデジタル信号処理技術を基に、通信機器業界に参入したと言う
いや、それは そうなので あろうが、それで
何故ルータなのか、正直良く分からない
何とも不思議な会社で ある
2. 特徴
.1 公開文書とメイリングリスト
国産企業だけ あって、日本語で文書資料を読めるのは とても ありがたい
また、この会社は以下の様に情報発信にも注力している様に見受けられる
機能一覧
設定例
FAQ
メイリングリスト(Mailing List)を運用しているので、ここで簡易な質問等も行えると言うのは非常に大きい
# 何故か rt100i と あるが、この機種に限定している訳では ない
# しかもルータに限定している訳でも無く、firewall 等の他の質問も許容される雰囲気を感じる
FAQ for rt100i-users(users mailing-list) 'MailList'
.2 操作
Webブラウザでの GUI 操作とコマンドラインでの CUI 操作を行う事が可能
コマンドラインでは、Tab キーに よりキーワードを補完可能
又、? キーに よりキーワード候補一覧を表示出来る
一応は、コマンドライン操作での最低限の機能は備えている
コマンド体系は独自で、Cisco 製品との互換性は無い
.3 インタフェイス
RT58i では lan2 が WAN interface と なっている
普通は WAN 側から割り当てられるものでは ないのか?
LAN は lan1 が割り当てられる
割当状態は以下の通りと なっていた
インタフェイス割当
| 物理ポート名 |
識別ポート名 |
| WAN |
lan 2 |
| LAN 1 |
lan 1/port 1:11 |
| LAN 2 |
lan 1/port 2:0 |
| LAN 3 |
lan 1/port 3:0 |
| LAN 4 |
lan 1/port 4:0 |
分かりにくい......
このポート割当は他の製品でも同様なのか どうか は不明
コンソールポートの形状は、RS-232C D-sub 9pin と なっている
.4 SNMP
この製品では SNMP 機能を備えていたが、低価格帯機器では SNMP 機能を備えていない製品も あるので少々残念では ある
.5 ホスト名が無い
ホスト名を命名する機能が見当たらなかった
そんな馬鹿な、と思ったが、やはり見付からない
仕方が無いので、機器識別には snmp sysname を利用して
凌いだ
現行の製品では どうなっているので あろうか
.6 NAT descriptor
アドレス変換機能が何とも把握しにくい
機能としては、静的NAT, 動的 NAT, IPマスカレードと言った各機能は備えている
備えては いるので あるが、以下を読んでも、今一つ設定が良く分からない
FAQ for YAMAHA RT Series / NAT&IP Masquerade
documents for NAT descriptor ==Enhanced Version==
何となく では あるが読み解いて見るに、例えば以下の設定行が あると すると、
nat descriptor static 10 1 [global IP address A]=192.168.100.10 1
行中の 10 は NAT項番 を示し その後の 1 は NAT小項番 と なる
分かり易く書けば 10 1 は 10-1 と同義で ある (多分…)
静的NAT 行を追記したいので あれば NAT項番 および NAT小項番 の値を増やして行けば良い
nat descriptor static 10 1 [global IP address A]=192.168.100.10 1
nat descriptor static 10 2 [global IP address B]=192.168.100.11 1
nat descriptor static 11 1 [global IP address C]=192.168.100.12 1
nat descriptor static 11 2 [global IP address D]=192.168.100.13 1
ここでは NAT項番 を分けて いるが、別に以下の通り で あっても実現内容は変わらない
単に管理上の NATグループ値 と言うだけ の数値に過ぎない
nat descriptor static 10 1 [global IP address A]=192.168.100.10 1
nat descriptor static 10 2 [global IP address B]=192.168.100.11 1
nat descriptor static 10 3 [global IP address C]=192.168.100.12 1
nat descriptor static 10 4 [global IP address D]=192.168.100.13 1
末尾の 1 は NAT個数 と言う事らしい
そして更に分かりにくく なるのが、静的NAT と IPマスカレード を同時に使用する際の設定で ある
ip lan2 nat descriptor 10 1000
nat descriptor type 10 nat
nat descriptor address outer 10 [global IP address A]
nat descriptor address inner 10 192.168.100.10
nat descriptor static 10 1 [global IP address A]=192.168.100.10 1
nat descriptor type 1000 masquerade
nat descriptor address outer 1000 primary
nat descriptor address inner 1000 auto
nat descriptor masquerade incoming 1000 reject
これで lan1 の 192.168.100.* から lan2 を経由する通信は lan2 の IP address に変換されて Internet に出て行き、[global IP address A] で公開している host機に対する通信を 192.168.100.10 に変換して送られる
これには恐らく記述順が あって、IPマスカレード 設定行を 静的NAT 設定行よりも後に置くと正常に動作しなかった
3. 使用感
SOHO 向け製品と言う事で あるが、処理能力上問題が無ければ それ以上の用途にも充分に耐えられる信頼性を持つ
やはり安物ルータとは違い、1日24時間365日連続運用の業務用機器として安心して利用出来る
コマンド体系に少し慣れが必要かも知れないが、それを差し引いても充分に有用な機器と言える
ただ、Cisco教の熱烈な信者に とっては かなり異色で違和感を
覚える機器で ある らしく、
仲々に正当な評価を受けにくい傾向が ある と思う
何とも残念な事では ある
YAMAHA社ルータは もう少し正当な評価を受けても良いと思う
4. 関連 URI
参考と なる URI は以下の通り
ホーム - ヤマハ株式会社
ネットワーク周辺機器
ルーター
公開 : 2014年7月25日