脚気罹患者を殺し続けた 森 鴎外 と明治の宿痾

1. 森 林太郎 が脚気罹患(りかん)者を大量に殺した


森 鴎外 の名で知られる 森 林太郎 で あるが、この人物は狂気の妄執に取り憑かれて陸軍軍兵を大量に殺害していたと言う

フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿 「ビタミン×戦争×森鴎外」

これは愚かな小人に権限と役職を与えると取り返しの付かない被害を招き寄せると言う、極悪人の手本以外の何者でも無い



2. 森 と陸軍と東京大学医学部の罪科


上記番組で放映されている 森 と陸軍と東京帝国大学医学部の罪状は以下の通りで ある

1) 白米を至上の支給食と誤断し、ほぼ白米のみを兵に支給した

2) 脚気を細菌伝染に由来する疾病と誤断した

3) 海軍での支給食比較実験結果は洋食が脚気の予防に有効で ある事を示していたが、これを無視

4) 海軍では麦飯を兵に支給する事で脚気罹患者を一時的[註1]に ほぼ剿滅(そうめつ)していたが、この事実を無視

5) 陸軍兵士から麦飯の支給が要望されたが、森 と陸軍軍医部は これを拒否

6) 陸軍軍医からも麦飯の支給が要望されたが、森 は これを黙殺

7) 臨時脚気病調査会(会長は 森) は類似病症のベリベリに対して高木論文[註2](もと)づいた米糠支給が有効で ある事が報告されたが、報告した調査官を罷免した

8) 鈴木 梅太郎 が米糠からアベリ酸(オリザニン)を抽出する事に成功し 臨時脚気病調査会 に報告したが、

9) 鈴木 は 1914年ノーベル生理学・医学賞の候補に挙げられた事が あったが、東京帝国大学はホプキンズを()していた


註1:

実は海軍は結局 脚気を剿滅出来て おらず、海軍から高木が去ると脚気が復活している

註2:

Takaki,K.: On the Cause and Prevention of KAK'KE.
Supplement to the transactions of the Sei-I-Kwai, or Society for the Advancement of Medical Science in Japan.
Transactions No.49, Supplement No.4, 20-37, 1885.
高木 兼寛

脚気の予防と原因について


海軍軍医 高木 兼寛 からの脚気と栄養素に関する有力な反証が あるにも(かか)わらず 森 は これを黙殺し自説を盲信し続けた
結局 森 が殺したと言っても過言では無い脚気の死者は 3万人を数えるのでは無いかと思うが、日露戦争で 2万人を越える脚気死者が無ければ日露戦争自体の戦局にも影響した可能性も あろう
いや、通常は人道面から追求しなければ ならない の では あるが、どうしても私は軍事面で物事を(とら)えてしまう傾向が ある らしい

なお、放映中に登場する 東京医学校 や 帝国医科大学 とは 東京大学医学部の前身で ある らしい
明治時代の知識の最高権威は東京帝国大学で あり、当時の日本人官民 (こぞ)って これを信奉していたもので あるから、これに反論する者は(あら)われなかったので あろう



3. 明治の宿痾は過去のものか?


東京帝国大学はヴィタミン研究に関してノーベル賞受賞者としてホプキンズを推していたが、何故 鈴木 を推さなかったのか?

それは思うに、近親憎悪ここに極まれり と言うべきか
臨時脚気病調査会 で 森 や陸軍軍医、東京帝国大学医学部 ()主流派を否定する説を論じた 鈴木 が受賞してしまうと、(かつ)て は その論を否定した自身達が今度は否定される事に なるので、同じ日本人が受賞するよりは外国人が受賞した方が良い と考えたので あろう
本当にバカで愚かな小人共で ある

しかし ながら、これは明治時代だけの宿痾で あろうか?
今なお この風潮は遺存しては いまいか?

日本人と言うは素晴らしく も あり、また()(がた)く愚かしい存在で あると言うべきか

公開 : 2017年7月10日
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