通勤時間の短縮は人口の一極集中を招く

1. 通勤手当廃止論


通勤手当を廃止せんと図(はか)る議論が ある様(よう)で ある

「通勤手当は廃止すべき」で議論

「Bさんの会社が、通勤手当の2万円を給与として払えば、Bさんは間違いなく、もっと近くに住もうと考えます」

「会社の負担額も Bさんの生活費の総額も全く変わらないのに、Bさんの通勤時間は短くなる」

「これは、社員を遠くに住ませるための通勤手当という制度を廃止すれば、全員が得するってことを意味します」

これは これは、随分と短絡な物言いで ありますな

一般的には、会社に近い人の生活物価は、会社から離れた人の生活物価よりも高価なのでは無いかと思う

ここで言う生活物価と言うのは、居住費(土地代や家屋賃貸費), 家計消費費(食費や生活消耗物資) と言ったもので ある
東京都内で生活すると なると、居住費だけでも かなりの高額に なる事 必定(ひつじょう)で あるが、その上更に食費代が結構嵩(かさ)む事に なる

これを考えると、近郊県での生活水準を都内に引越しても維持し続けるのは、難しいのでは無いかと思う
と言う訳で、必ずしも全員が得を する訳(わけ)では無いので ある

「一気に会社の近くに住もうという気がしてきた」

「会社経営してるとそれはホントに思うわ。何でワザワザ、遠くに住んで、通勤に何時間もかけて消耗させることに補助をだしているのかって」

「通勤に時間をかけられる人って、とても忍耐強く贅沢な時間の使い方をされるんだなぁと思えてならない」

経営者で あれば経費を抑えたく なるのは分からなくも無いが、会社の近くに引越させると、別の費用を発生せしめる可能性が ある事に考えが及んでいるので あろうか?
いや、恐らくは徒(いたずら)に経費を削減しようとする経営者と言うは馬鹿なので、思考力が低くて思い至らないので あろう

つまり、近郊県から都内に転居した社員は、転居前の生活水準を維持したいと思うのは至って自然な事なので、

都内は物価が高いので、給料を上げてくれ!

と社員に要求されるで あろう事、予想するに難(かた)くない

それに、今勤めている会社に一生心中するつもりなので あろうか?
就業していれば将来 会社を変えると言う可能性も あると思うがので あるが、転職の度(たび)に引っ越すと言う事なので あろうか…

「通勤時間が短い方が良い点には激しく同意だけど、通勤手当廃止が対策になるとは思えない。

まぁ その通りかとは思いますな

「そんなことしたら皆都心に住んで家賃が上がり元の木阿弥
働く場所の集中を減らすべきで通勤手当に問題は無いんではないか?」

おや、中には以外と鋭い指摘を行う者も いる様ですな
上記 Web で発言する者は、年齢的に若く知恵足らずで短絡な考え方しか しない人達で あろうと思っていたが、少し考えを改めねば ならぬやも知れない



2. 人口の一極集中は百害あって一利無し


昭和時代の高度成長期の頃から大都市への人口集中傾向が見られる様に なったかと思うが、それで良かったと思える事は何か あるで あろうか?
寧(むし)ろ悪く なったと思える事の方が多い様に思う
例えば、

a) 土地が高くなって一戸建て の家屋を購入しにくい
b) 食費が高くて家計が苦しい

c) 幼稚園,保育園が足りず、小中学校が狭くて満足な運動も出来ず、育児教育環境が悪い

d) 一家庭辺りの家族数が少なく、核家族化が進んで いる
e) 墓地や介護施設が足りて おらず、老後や死後に懸念が残る

f) 父母子 等(など)の少数家族のみで大都市に転居するためか、近所付き合いが稀薄化している

g) 犯罪数が多くなり、治安が低下


思い付くだけでも これほど挙げられる
これは やはり、都下への人口一極集中は望ましくは無いものに思える

と言う事で、企業は寧ろ積極的に遠距離勤務を推奨して然(しか)るべきで あると思うので あるが、如何(いかが)で あろうか

公開 : 2015年1月21日
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