倭人も太平洋を渡った

1. BS-TBS が定説の枠を越えるか─縄紋人太平洋渡米説を特別番組で紹介


非常に興味深い TV放映が あった
2016年12月10日の二夜連続特番 ~地球創世記 ミステリアス・アメリカ~ 生物大絶滅と縄文人の謎 第二夜 最初のアメリカ人は海を渡った縄文人 で ある

第二夜 最初のアメリカ人は海を渡った縄文人

出土物としては草鞋や槍の穂先と して利用されていたで あろう尖頭土器が紹介されて おり、無論これだけでは論を確定するには根拠不足では あるが、それでも米国で縄紋人の太平洋渡洋説の肯定者が現(あら)われて来ている事が分かり、今後の更なる研究調査に期待させる内容構成で あった



2. 古田武彦を紹介しないのは何故なのか?


ただ、土器模様の類似が指摘されているヴァルディヴィア(Valdivia)土器の紹介は少し しか無く、幾分 物足りない感は あった
倭人南米渡洋説を古くから主張する古田さん の言説も、少しは触れて おく べきでは無かったか?

それに、これは私の思い過ごし かも知れぬが、TV放映日も何かしらの恣意感情を感じずには いられない

古田さん が逝去したのは 2015年10月で、放映されたのが その一年後と言う事に なる
何を言いたいのかと言うと、そこまで古田説が憎いのかと言う事で ある

古田さん は日本人としては少し異端な、性格的に批難され易い研究者で あった
何と言うか、誰彼構わず批判する人なので ある
欧米で あれば これでも良かったのかも知れないが、日本の閉鎖的かつ保守的、そして仲間内での協調性が無駄に意識される日本古代史学界では村八分として排斥されてしまったと しても無理からぬ事では あったと思う

そのため、古田さん が在世中は古田説に関わるのは死んでも嫌と言う人が いて TV放映に漕(こ)ぎ着けられなかった のでは無いかと推察してしまうが、さて これが単なる 当て推量 で あれば良いので あるが…
もし古田さん が死んだ ので漸(ようや)く世に出る事が出来たので あれば、両者に取って何とも不幸な事では あろう
そして そう言った方々が もし いたので あれば、以下の様(よう)な訳書は見て見ぬ振りを したくなったのかも知れない

倭人も太平洋を渡った コロンブス以前のアメリカ発見



3. それでも固陋な日本人歴史研究者はベーリング陸橋渡米説に しがみつくのか


放送では、寄生虫で ある鉤虫(こうちゅう) に触れられて いなかったが、調査していないので あろうか?
もし鉤虫が確認されれば、ベーリング陸橋渡米説だけでは説明し切れなくなる事に なる
何故なら、氷点下のベーリング陸橋では鉤虫の生存は とても難しく、ほぼ不可能と言って良いからで ある
少なくとも私は、カナダやアラスカに おける古代遺跡からは鉤虫が存在したいたとは聞いた事が無い
そこまで目が行き届かったので あろうか……

他(ほか)にも、T細胞白血病(ATL) と言う らしい白血病の原因で ある ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-1) の分布調査と言うのも一考に値するかと思う

頑固,頑迷,固陋,依怙地,狭量,旧態,守旧,旧套墨守な日本人古代史研究者達は、さて どう言った心情で TV放映を見たので あろうか……

公開 : 2016年12月24日
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