江戸時代の貨幣換算

1. 江戸時代と現代の貨幣兌換比率が分からないと何かと不便


江戸時代の史料を見ると、現代の貨幣制度とは異なる貨幣が使われていて価値換算に戸惑ってしまう
そこで、江戸時代の貨幣価値と現在の貨幣価値の比較対照を試行して見ようと思う



2. 江戸時代の貨幣


両 - Wikipedia
貫 - Wikipedia

江戸時代の貨幣単位は以下の通りで ある

一両 = 四分
一分 = 四朱
一朱 = 精銭二百五十文(もん) = 鐚銭一千文


上記に より、以下の通りと なる

一両 = 四分 = 十六朱 = 精銭(せいせん)四千文(四貫文) = 鐚銭(びたせん)一万六千文(十六貫文)


精銭とは良銭の意と思って良いと思う
鐚銭は悪銭と言う事に なる

実際には、一貫文は一千文では なく 960文で あった らしい

# 紛らわしくも分かりにくい事では ある
# 但し、これには一部反論も あり、また計算も煩わしくなるため、ここでは一貫一千文と見做(みな)す


流通した貨幣としては、以下の(よう)な物が あったらしい

金 一両 (=小判一枚)
二分金
一分金, 一分銀
二朱金, 二朱銀
一朱金, 一朱銀




3. 貨幣価値の比較


実は江戸時代の貨幣価値と現在の貨幣価値の比較は とても難しい らしい
一つには、江戸時代を通じて貨幣価値が異常な程に変動している事が挙げられる
また、江戸時代と現在に おける比較基準と すべき存在を設ける事が事実上不可能と言う事も ある

それでも敢えて比較基準を設けて見ると しよう
基準例として、例えば 二八蕎麦 を想定して見ると どうなろうか?

二八蕎麦 とは江戸時代後期に 2 x 8 の一杯 16文で販売された蕎麦らしい
この文銭は江戸時代後期なので、鐚銭が駆逐されて良銭での価格と言う事に なる

二八蕎麦 とは - コトバンク

当初の 二八蕎麦 は比較的高級な蕎麦で あった らしく、他の蕎麦は六文程度で売られていた らしい
今の蕎麦は一杯大体 600円~800円位で あろうか

# 駅前等の格安立ち食い蕎麦(中身は とても蕎麦とは言えない、蕎麦に見える何か、である) は考慮しないものと する


計算し(やす)い様に 16 の倍数で金額を仮定するとして、ここでは 640円 および 800円位を想定する


1) 16文 = 640円の場合

この場合、640円÷16文=1文40円 と なる

上記に より

一両 = 四分 = 十六朱 = 四千文


なので、以下の値が弾き出される

1文 40円×250文=1朱 10,000円
1朱 10,000円×4朱=1分 40,000円
1分 40,000円×4分=1両 160,000円


と言う事に なり、一両 = 十六万円と言う事に なる


2) 16文 = 800円の場合

この場合、800円÷16文=1文50円 と なる
上記 1) と同様に

1文 50円×250文=1朱 12,500円
1朱 12,500円×4朱=1分 50,000円
1分 50,000円×4分=1両 200,000円


と言う事に なり、一両 = 二十万円と言う事に なる


大体この(あた)りが妥当な貨幣価値で あろうか と思う

公開 : 2014年1月22日
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